実践すれば本当に審美歯科が変わってしまう8つのポイント

2025年7月
  • マウスピース矯正のしくみ透明な装置で歯が動く秘密

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    近年、目立ちにくさや取り外しの利便性から人気が高まっているのが、透明なマウスピース型矯正装置を用いた治療法です。ワイヤーやブラケットを使わずに、どのようにして歯を動かすことができるのでしょうか。その秘密は、精密な3Dテクノロジーと、段階的に歯を移動させるための緻密な治療計画にあります。まず、治療を開始する前に、患者さんの口腔内を3Dスキャナーで精密にスキャンし、歯並びのデジタルデータを作成します。そして、専用のコンピューターソフトウェア上で、現在の歯並びから最終的な理想の歯並びまでの歯の移動プロセスを、ミリ単位でシミュレーションします。このシミュレーションに基づいて、治療の各段階に対応する、少しずつ形の異なる複数のマウスピースがオーダーメイドで製作されます。患者さんは、歯科医師の指示に従い、通常1週間から2週間ごとに、新しいマウスピースに交換していきます。それぞれのマウスピースは、現在の歯並びよりもわずかに理想の形に近づけた形状をしており、これを装着することで、歯に持続的で穏やかな力が加わります。この力が、ワイヤー矯正と同様に歯根膜に作用し、骨の吸収と添加を促すことで、歯を計画された位置へと少しずつ移動させていくのです。つまり、一連のマウスピース全体が、ワイヤー矯正におけるアーチワイヤーが進化したものと考えることができます。個々のマウスピースが、ある特定の歯を特定の方向へ、わずかな距離だけ動かすように設計されており、それらを順番に装着していくことで、最終的に全体の歯並びが整うというしくみです。また、マウスピース型矯正装置では、歯の表面に「アタッチメント」と呼ばれる小さな突起物を接着することがあります。これは、マウスピースの維持力を高めたり、特定の歯に的確な力を加えたりするために重要な役割を果たします。歯科医師は、治療計画の段階で、どこの歯にどのような形状のアタッチメントが必要かを精密に設計します。このように、マウスピース型矯正は、最新のデジタル技術と生体力学的な原理を融合させることで、目立たずに効果的な歯の移動を実現する、洗練された治療法なのです。