国境を越えた歯列矯正治療の継続
アメリカで大学在学中にワイヤー矯正を開始したソフィアさん(仮名・20代)は、卒業後に日本の企業への就職が決まり、治療途中で日本へ移住することになりました。母国での治療期間は約1年半が経過しており、残りの治療を日本で継続する必要がありました。彼女がまず行ったのは、アメリカの担当矯正医に事情を説明し、これまでの治療経過記録、レントゲン写真、歯型模型などの資料を準備してもらうことでした。これらの資料は、新しい歯科医院で治療計画を正確に引き継いでもらうために不可欠です。来日後、ソフィアさんは、英語対応が可能で、かつアメリカの矯正治療システムにも理解のある歯科医院をインターネットで検索し始めました。いくつかの候補に連絡を取り、カウンセリングを予約。持参した資料を基に、日本の担当医と綿密な打ち合わせを行いました。幸い、彼女がアメリカで使用していた矯正装置は日本でも一般的なものであり、治療方針にも大きな変更はなく、スムーズに治療を引き継ぐことができました。ただし、治療費については、アメリカの医院との精算とは別に、日本の医院と新たに契約を結び直す必要がありました。ソフィアさんは、転院先の医師がこれまでの治療を尊重し、今後の計画も丁寧に説明してくれたことで、安心して治療を継続できたと語ります。国境を越えた歯列矯正治療の継続は、事前の十分な資料準備と、新しい担当医との綿密なコミュニケーションが成功の鍵となる好例です。