歯列矯正治療中に首こりの症状が現れた場合、まずは治療を担当している歯科医師に相談することが大切です。歯科医師は、矯正治療の進行状況や噛み合わせの変化を把握しているため、首こりの原因が治療と関連しているかどうかを判断する上で重要な情報を持っています。相談する際には、いつから首こりが始まったのか、どのような時に特に症状が強いのか(例えば、朝起きた時、食事の後、特定の動作をした時など)、痛みの程度や種類(ズキズキする、重だるいなど)、他に気になる症状(頭痛、肩こり、顎の痛みなど)がないか、といった具体的な情報をできるだけ詳しく伝えましょう。これらの情報は、歯科医師が原因を推測し、適切なアドバイスをする上で非常に役立ちます。歯科医師は、まず口腔内を診査し、噛み合わせの状態や顎関節の動き、咀嚼筋の緊張度などを確認します。もし、矯正治療による噛み合わせの急激な変化や、特定の歯の接触が強すぎることなどが原因で首こりが誘発されている可能性があると判断された場合は、矯正装置の調整を行ったり、一時的に噛み合わせを安定させるためのマウスピース(スプリント)を作製したりといった対応を検討することがあります。また、無意識の食いしばりや歯ぎしりが原因と考えられる場合には、その対策についてのアドバイス(例えば、日中の意識的なリラックス、就寝時のナイトガードの使用など)を受けることができるでしょう。歯科医師の専門外の症状であると判断された場合や、より専門的な検査・治療が必要と判断された場合には、整形外科やペインクリニック、整体院など、適切な医療機関や専門家を紹介してくれることもあります。大切なのは、些細なことでも遠慮せずに相談することです。歯科医師は、患者さんが快適に治療を続けられるようにサポートする役割も担っています。首こりが治療の妨げになったり、日常生活に支障をきたしたりする前に、早めに声を上げることが、問題解決への第一歩となるでしょう。
歯科医師に聞く歯列矯正と首こり治療中の相談ポイント