子どもの歯列矯正(小児矯正)と大人の歯列矯正(成人矯正)では、治療の目的や方法が異なるため、費用にも違いが出てきます。一般的に、子どもの歯列矯正は、成長期に行う「第一期治療」と、永久歯が生えそろってから行う「第二期治療」に分けられることがあります。第一期治療は、主に顎の骨の成長をコントロールしたり、永久歯が正しく生えるためのスペースを確保したりすることを目的とし、取り外し式の装置や簡単な固定式の装置を用いることが多いです。この第一期治療の費用相場は、30万円から60万円程度と言われています。もし第一期治療で歯並びが十分に改善されず、永久歯が生えそろった後に本格的な矯正治療(第二期治療)が必要になった場合は、別途費用が発生します。第二期治療は、成人矯正と同様にブラケットとワイヤーを用いたり、マウスピース型装置を用いたりする治療で、その費用相場は成人矯正と大きく変わらず、60万円から100万円程度が目安となります。つまり、第一期治療と第二期治療の両方を行う場合、総額としては成人矯正よりも高くなる可能性もあります。ただし、子どものうちから早期に介入することで、将来的な抜歯のリスクを減らせたり、より良好な治療結果が得られたりするメリットも考慮に入れる必要があります。治療を開始する前に、お子さんの状態に合わせた治療計画と、それぞれの段階でかかる費用、そして総額でいくらになる見込みなのかを、歯科医師に詳しく確認することが重要です。