2025年8月
-
矯正治療引継ぎの重要性とポイント
歯列矯正治療は、個々の患者様の口腔内の状態や目指すゴールに合わせて、精密な治療計画のもとに進められます。そのため、治療途中で引越しなどで転院が必要になった場合、この治療計画と経過情報を正確に新しい歯科医院へ引き継ぐことが極めて重要となります。この引き継ぎが不十分だと、治療期間が余計に長引いたり、最悪の場合、期待した治療結果が得られなかったりする可能性も否定できません。では、スムーズな引継ぎのためには何がポイントとなるのでしょうか。まず、現在の担当医から、詳細な紹介状とともに、レントゲン写真(パノラマ、セファロなど)、口腔内写真、歯型模型、そして最も重要な治療計画書とこれまでの治療経過の記録といった資料を可能な限り提供してもらうことです。これらの資料は、新しい担当医が患者様の状態を正確に把握し、これまでの治療の流れを理解した上で、適切な継続治療を行うための基礎となります。次に、転院先の歯科医院を選ぶ際には、矯正治療を専門に行っているか、あるいは十分な経験と知識を持つ歯科医師が在籍しているかを確認することが大切です。カウンセリング時には、持参した資料を提示し、これまでの治療内容や今後の希望をしっかりと伝え、新しい担当医と十分にコミュニケーションを取ることが求められます。新しい担当医は、提供された情報と自身の診査結果を基に、治療計画の再評価や調整を行うことになります。場合によっては、前医と治療方針が若干異なることもあり得ますが、その理由やメリット・デメリットについて納得いくまで説明を受けるべきです。治療の継続性を保ち、最良の結果を得るためには、患者様自身も積極的に情報提供し、医師任せにしない姿勢が大切です。