田中さん(仮名・30代女性)は、ワイヤー矯正を開始して1年半が経過した頃、ご主人の仕事の都合で東京から福岡へ引越すことになりました。長期間にわたる矯正治療の途中での引越しは、彼女にとって大きな不安材料でした。特に、これまで信頼関係を築いてきた担当医のもとを離れ、新しい環境で適切な治療が受けられるのか、治療計画に遅れが生じないかといった点が心配だったと言います。田中さんはまず、東京の担当医に引越しの旨を伝え、相談しました。担当医は田中さんの状況を理解し、福岡で信頼できる矯正専門医の探し方や、転院に必要な資料(紹介状、レントゲン、治療記録など)の準備についてアドバイスをくれました。引越し先の住居が決まると、田中さんは早速、日本矯正歯科学会のウェブサイトや口コミサイトを利用して、福岡市内の矯正歯科を探し始めました。いくつかの候補に絞り込み、実際にカウンセリングを受けました。その際、東京の担当医から受け取った資料が非常に役立ったそうです。新しい担当医は、これまでの治療経過を詳細に把握し、田中さんの希望も聞きながら、今後の治療方針を丁寧に説明してくれました。費用面では、東京の医院での未払い分の精算と、福岡の医院での新たな契約が必要でしたが、事前に説明を受けていたため、納得して手続きを進めることができました。結果として、田中さんは引越し後もスムーズに矯正治療を再開でき、当初の計画通りに美しい歯並びを手に入れることができました。この事例は、事前の準備と情報収集、そして医師との連携がいかに重要であるかを示しています。