歯列矯正の治療費は高額になることが多いため、その内訳をしっかりと理解しておくことが大切です。「総額いくら」と提示された費用が、具体的にどのような項目で構成されているのかを知ることで、費用の妥当性を判断する材料になります。まず、多くのクリニックで発生するのが「初診相談料」です。これは無料の場合もあれば、数千円程度かかる場合もあります。次に、本格的な治療計画を立てるための「精密検査・診断料」があり、これにはレントゲン撮影や歯型採り、顔面写真撮影などが含まれ、数万円程度が一般的です。そして、治療費の大部分を占めるのが「矯正装置料」です。使用する装置の種類(ワイヤー、ブラケット、マウスピースなど)によって価格が大きく異なります。治療期間中に定期的に発生するのが「調整料」または「処置料」で、これは月に一度程度の通院ごとに数千円から一万円程度かかることが多いです。クリニックによっては、この調整料が総額に含まれている「トータルフィー制度」を採用している場合もあります。治療が終了した後には、歯並びが後戻りするのを防ぐための「保定装置料(リテーナー料)」と、その後の経過観察のための「保定観察料」が必要になります。これらの項目以外にも、抜歯が必要な場合の抜歯費用や、虫歯・歯周病の治療費などが別途かかることもあります。契約前には必ず費用の内訳書をもらい、不明な点は遠慮なく質問し、総額でいくらになるのかを把握しましょう。