私が歯列矯正を始めて約一年が経った頃、夫の転勤で急遽遠方へ引越すことになりました。最初に頭をよぎったのは「矯正治療はどうなるの?」という大きな不安でした。せっかく始めた治療を途中でやめたくない、でも引越し先で同じように治療を続けられるのだろうか。そんな思いでいっぱいでした。まず、通っていた矯正歯科の先生に事情を話すと、先生は親身になって相談に乗ってくださり、転院先の探し方や必要な手続きについて丁寧に教えてくれました。先生から紹介状とこれまでの治療記録、レントゲン写真のコピーなどを用意してもらい、それを手に引越し先のエリアで矯正歯科を探し始めました。インターネットで検索し、いくつかのクリニックに電話で問い合わせ、カウンセリングの予約を取りました。新しいクリニックでのカウンセリングでは、持参した資料を見せながら、これまでの経緯や希望を伝えました。幸い、私の治療方針を理解し、スムーズに引き継いでくれる先生に出会うことができ、ホッと胸をなでおろしたのを覚えています。もちろん、転院には手間も費用もかかりました。前のクリニックとの治療費の精算や、新しいクリニックでの再検査費用など、予想外の出費もありました。しかし、何よりも治療を継続できたこと、そして新しい環境でも信頼できる先生に出会えたことが一番の収穫です。引越しと矯正治療の両立は確かに大変でしたが、諦めずに情報を集め、行動したことで乗り越えられました。もし同じような状況の方がいたら、まずは今の先生に相談し、積極的に動くことをお勧めします。きっと道は開けるはずです。