本日は、矯正歯科治療の最前線でご活躍されているE先生に、インプラントアンカーの重要性についてお話を伺います。先生、インプラントアンカーは現代の矯正治療において、どのような位置づけなのでしょうか。「一言で言えば、ゲームチェンジャーですね。この技術が登場する前と後とでは、私たちが患者様に提供できる治療の選択肢と質が、全く異なると言っても過言ではありません。矯正治療における長年の課題であった『固定源の確保』という問題を、非常にシンプルかつ確実な方法で解決してくれたのです」。固定源というと、以前はヘッドギアなどを使っていたかと思いますが、それとはどう違うのでしょうか。「ヘッドギアも有効な装置ですが、患者様ご自身に、毎日決められた時間、装着していただく必要があります。特に学校や職場では使いにくいため、在宅中や就寝中の使用がメインになりますが、協力度によって治療結果が大きく左右されてしまうのが最大の難点でした。また、力の方向もある程度制限されます。一方、インプラントアンカーは24時間365日、私たちの意図した通りの場所から、意図した方向へ、安定した力をかけ続けてくれます。患者様の協力度に依存しないため、治療計画の再現性が非常に高く、確実な結果を予測できるのです」。どのような症例で特に有効性を発揮しますか。「あらゆる症例で有効ですが、特にその真価が発揮されるのは、これまで外科手術が必要とされていたような難症例です。例えば、歯を骨の中に沈める『圧下』は、インプラントアンカーなしではほぼ不可能でした。これにより、重度のガミースマイルや、噛み合わせが深すぎる過蓋咬合を、手術なしで劇的に改善できるようになりました。また、開咬(奥歯で噛んでも前歯が閉じない状態)の治療においても、奥歯を圧下させることで前歯が閉じるようになり、治療成績が飛躍的に向上しました。これは矯正学における一つの革命と言えるでしょう」。最後に、患者様へのメッセージをお願いします。「口の中にネジを埋め込むと聞くと、誰でも不安に思うのは当然です。しかし、その小さなネジが、あなたの治療の可能性を大きく広げ、より良い結果をもたらしてくれることも事実です。私たちは、その必要性と安全性について、皆様が納得できるまで丁寧に説明します。ぜひ、怖がらずに、まずはお話を聞きに来ていただきたいですね」。